医学科教育センター活動概要
医学科学生を対象としたHIV教育プログラム
抗HIV療法の進歩による予後改善に伴うHIV感染者の増加にも関わらず、HIV感染者の診療は中核拠点病院やエイズ治療拠点病院など一部の医療機関に限られ、HIV感染者がどの医療機関でも安心して医療が受けられるために
医療界全体の整備が必要である。
大学卒業前の医学教育では、モデル・コア・カリキュラムに準じて教育することが求められている。令和4年度改訂版
のモデル・コア・カリキュラムにおいてHIV・AIDSは器官系「妊娠と分娩」カテゴリー「母子感染」および器官系
「感染症」カテゴリー「免疫不全」における疾患として示されているが、具体的に何を教えるべきか示されていない。
大阪大学医学部におけるHIV・AIDSに関する教育はウイルスの構造やAIDSの病態や治療など科学的側面」を中心と
して提供されているが、誤解、偏見、差別や薬害の歴史など「社会的側面」、感染対策、病状説明、患者の精神的支援
など「医療的側面」は含まれていなく、すべての側面を包含した体系的教育が必要である。
2023年度より大阪大学医学部では体系的なHIV・AIDS教育プログラムを開発して医学生に提供している。
カリキュラムモデルとしては、学年の進行に合わせて授業内容を段階的に深める「スパイラルカリキュラム」を採用
した。繰り返し教育を受けることにより、学生の理解が段階的に深まることを意図している。授業においては学生の
理解度に合わせてHIV・AIDSの科学的側面、社会的側面、医学的側面の全ての側面を提供する方針とし、
以下既存授業科目に組み込み実施している。
- 1年次講義内容
医学序説 - 4年次講義内容
臨床導入実習(講義) - 6年次講義内容
臨床医学特論 - 問い合わせ先
講義内容を実際に授業で扱いたい方には最新のパワーポイントを提供します。下記までご連絡ください。
大阪大学医学部医学科教育センター(06-6210-8224)
関連委員会
- 教務委員会
実務を担当。 - 教育センター委員会
カリキュラムの審議と調整 - OSCE委員会
OSCEの計画と実施 - クリニカル・クラークシップ委員会
クリニカル・クラークシップの計画と実施、評価の集計と報告 - 山本脩一郎・志郎教育改革委員会
医学科の選考委員として参加。 - FD委員会(医学科FD委員会、全学FD連絡会議)
医学科教員FDの企画と実施。全学FD連絡会議での意見交換、活動報告。 - 基礎医学実習運営WG
基礎医学実習の安全対策、実習環境の改善。「基礎医学実習の注意事項」の作成。
カリキュラム関連業務
- 専門教育科目の年間計画(シラバス)の作成
- 下記授業科目、実習の調整
2年次 |
|
---|---|
3年次 |
|
4年次 |
![]()
|
5年次 |
|
6年次 |
|
学部生の履修指導等
- 新入生オリエンテーションでの履修指導
- 専門課程進級時オリエンテーションでの履修指導
- 学生との定期ミーティングの開催(毎月。学年代表、試験委員等と)
- 学生と学部長の面談会
- 学生の個別指導(随時)
- 学部生の指導教員として各種推薦状などの作成
- 医学科ハラスメント相談員
- 留学生担当教員
- 感染制御部リンクドクター(学生担当)
入試関係
- 医学部案内の作成
- 医学科オープンキャンパスへの参加
アンケート等への対応
- 学内 : 大阪大学年度計画、達成状況などの記載
- 学外 : 各種調査・アンケートへの回答
医学教育関連全国会議への出席
- 医学教育指導者のためのセミナーとワークショップ(8月)
- 国内医科大学視察と討論の会(9月)
- 医学教育学会での発表
- その他、医学教育関連ワークショップへの参加
その他の医学科業務
- 教育関連グラントへの応募
山本脩一郎・志郎教育改革基金、現代&特色GP、総長裁量予算など。 - 学生による授業評価の補助
医学教育関連組織への協力
- 医療系大学間共用試験実施評価機構
共用試験OSCEモニター委員(他大学の実施状況の調査と報告)
共用試験CBTモニター委員(他大学の実施状況の調査と報告) - 大阪大学臨床研修指導医養成講習会(タスク・フォース)
- SCCRE(特定非営利活動法人 臨床研究・教育支援センター)、社会人医学教育部門(委員)、Heart-to-Heart SP研究会会員
- MEIセンター(大阪大学臨床医工学融合教育研究センター)
情報科学技術者再教育ユニット(臨床医学総・コーディネーター)
これまでのFDの概要
第7回
- 開催日
- 平成21年3月27日(金)
- 場所
- 大阪大学 銀杏会館3F 阪急・三和ホール
- 参加者
- 65名
- テーマ
- 大阪大学における新カリキュラム
第一部 MD研究者育成プログラム
- 「医学部でリーサーチマインドを育てるには?--東京大学医学部MD研究者育成プログラムの試み-」
狩野光伸 講師(東京大学MD研究者育成プログラム室) - 「大阪大学におけるMD研究者育成プログラム」
米田悦啓 副研究科長
第二部 大阪大学における新カリキュラム
- 「基礎系講義・実習の改革」
山下俊英 副教育センター長 - 「臨床講義・実習の改革」
和佐勝史 教育センター准教授
第6回 | 開催日 | 平成19年12月27日(木) |
---|---|---|
場所 | 銀杏会館(阪急・三和ホール) | |
参加者 | 76名 | |
テーマ | 大阪大学におけるカリキュラム改革 | |
講演 | 高久史麿先生(自治医科大学学長、日本医学会会長) 「わが国の医学教育の現状と問題点」 |
|
グループワーク &討論 |
「入試制度改革」「指導者の育成、教育業績の評価」 「クリニカルクラークシップ」 |
|
第5回 | 開催日 | 平成18年12月27日(水) |
場所 | コンベンションセンター | |
参加者 | 57名 | |
ワークショップ | 大西弘高(東京大学医学教育国際協力研究センター講師) 「合否判定基準設定の方法論」 |
|
講演 | 伴信太郎先生(名古屋大学総合診療部教授) 「授業アンケートについて 名古屋大学の取り組み」 |
|
第4回 | 開催日 | 平成18年2月15日(水)、16日(木) |
場所 | 岐阜大学医学部、岐阜都ホテル | |
参加者 | 25名 | |
講演 | 「PBLチュートリアルとは」 「岐阜大学チュートリアルについて」 |
|
施設見学 | 岐阜大学チュートリアル教育の実際 岐阜大学附属病院・スキルスラボ |
|
第3回 | 開催日 | 平成17年3月26日(土) |
場所 | コンベンションセンター | |
テーマ | カリキュラム改革と共用試験の導入―各大学の取り組み | |
講演 | 北村聖先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授) 「東京大学のカリキュラム改革と共用試験」 武田俊一先生(京都大学大学院放射線遺伝学講座教授) 「京大医学部の教育の現状と改革」 吉田素文先生(九州大学大学院教育学講座教授) 「九州大学医学部のカリキュラムの来し方行く末と共用試験」 |
|
グループ討論 | テーマ1「基礎系、臨床系各実習の問題点と改革法について」 テーマ2「教育評価の方法について」 テーマ3「基礎医学研究者の養成について」 |
|
第2回 | 開催日 | 平成15年12月27日(土) |
場所 | 銀杏会館(阪急・三和ホール) | |
テーマ | 医学教育のトレンドについて | |
講演 | 阿部好文先生(東海大学) 「モデルコアカリキュラム、共用試験、クリニカルクラークシップについて」 松尾理先生(近畿大学) 「近畿大学における医学教育改革、チュートリアル教育について」 |
|
ワークショップ | 大阪大学医学部医学科における教育について | |
第1回 | 開催日 | 平成15年12月12日(金) |
場所 | 銀杏会館(阪急・三和ホール) | |
講演 | 日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長) 「明日を拓く医学教育―医学教育に今なにが求められているか―」 |
カリキュラム改革
※ 準備中
ページの先頭へ山本侑一郎・志郎教育改革基金(医学科教育センター採択実績)
- 平成15年度
医学科におけるFDの推進(平成15年度) 130万円
医学画像教育システムの樹立 200万円+330万円(追加分) - 平成16年度
医学科におけるFDの推進(平成16年度) 101万円 - 平成17年度秋季
PBLテュートリアル教育導入のための視察と研修 250万円 - 平成18年度春季
OCRシステムの導入による教育効果と教育内容の測定 213万円 - 平成20年度春季
模擬患者を用いたコミュニケーション能力開発の推進 125万円