令和6年度卒業生、学年代表 石原 百華
私は令和6年度に大阪大学医学部医学科を卒業し、4月から市立池田病院で初期研修をさせていただく、石原百華と申します。この度、医学科教育センターの渡部先生より学生生活を振り返りメッセージを執筆する機会をいただきました。拙い文章ではありますが、少しでも後輩や受験生の皆さんの参考になれば幸いです。
学生生活(1回生)
1回生の授業は豊中キャンパスがメインです。数学、物理、体育など一般教養の授業をたくさん受けます。この時期は、他の学科や学部の人達と一緒に受ける授業も多く、友達をたくさん作ることができます。2回生以降はそれが難しくなるので、1回生の間に友達の幅を広げてみてください。
学生生活(2~4回生)
2回生からは吹田キャンパスでの授業がメインとなり、いよいよ医学を本格的に学んでいくことになります。2回生で行われる解剖実習では、ご献体を実際に解剖し、人体の構造を学びます。医学生としての自覚が芽生える非常に重要な実習です。座学については、はじめのうちは基礎医学を学びます。とっつきにくいと感じる人もいるかもしれませんが、後に臨床医学を学んでいくとその大切さが分かり、解像度が増してきます。試験の数も多く、かなり大変な時期だと思いますが、何とか乗り越えてください。
後半で学ぶ臨床医学では、聞いたことのある病名にもたくさん触れ、医学を身近に感じるようになります。臨床医学を学び終えるとCBT、OSCEという全国の医学生が受ける試験があるので、それらに向けての勉強も並行して行います。4年間の勉強の大詰めの時期になるので頑張ってください。
臨床実習
CBTとOSCEを終えると、いよいよ病院での臨床実習が始まります。臨床実習では、実際の患者さんを診て、問診や身体診察、症例発表などを行います。また、手術や手技もシミュレーターなどを用いて練習することができます。これまで座学で学んだことが、実際の臨床現場ではどう使えるのかを知ることができます。患者さんに直接触れることで、教科書だけでは学べなかった知識や患者さんの気持ちを学びます。
6回生では地域実習や海外実習に参加でき、大学病院や関連病院では見られない医療も学ぶことができます。普段と違う土地での医療はとても刺激的で、視野を広げ将来の選択肢を増やすことにも繋がるので、ぜひ挑戦してみてください。
部活動
入学直後から、新歓と呼ばれる各部活動の勧誘があります。少しでも気になる部活がある人は、積極的に新歓に参加して自分に合った部活を見つけてください。
私はバスケットボール部でマネージャーをしていました。部活動を通して、色んな面で成長できただけでなく、とても大切なチームメイトを得ることができました。最後の学生生活なので、部活動をはじめとした課外活動にもぜひ参加してください。
学年代表
私は6年間学年代表を務めさせていただきました。先生方と連携を取り、学年の問題を解決したり、実習の段取りを決めたりするのが主な仕事です。様々な人と関わり橋渡しをするという役割を通して、人との関わり方やまとめ方、そして人への頼り方を学べたと感じています。
学年代表という経験は、私の得意なことと苦手なことを知るきっかけとなりましたし、人として成長させてくれたと思います。
マッチング
マッチングというのは、私達が初期研修をする病院を決めるための就職活動のことです。早い人だと5回生の夏あたりから病院見学に行き、自分が研修したい病院を決めます。気になる病院があれば積極的に病院に行き、まずは自分の目で見てみることをお勧めします。その後6回生の夏にマッチングの試験がやってきます。筆記試験、小論文、面接、医療面接など病院ごとに課された試験を受け、行きたい病院の希望順位を提出します。
マッチングは準備も大変で、精神的な負担もあるかと思うので、友達と一緒に面接練習をするなど友人達と協力してマッチングに挑むのが良いと思います。病院やマッチングの情報を積極的にたくさん集め、自分に合う病院をぜひ見つけてください。
医師国家試験
国家試験はその名の通り、医師の国家資格を得るための試験で、大学6年間で学んだことの集大成となります。近年では座学だけでなく、臨床実習での経験も重要視されています。臨床実習で見たことをしっかりと記憶して国家試験に活かしてください。
国家試験に不合格となってしまうと、医師として働くことはできず、マッチングも再度やり直しになります。このプレッシャーと闘いながら何ヶ月も勉強するのはとてもしんどいと思います。マッチングの話でも述べた通り、周りの友達と一緒に勉強会を開いたり、お互いに質問し合ったりするのをお勧めします。1人で勉強するより得られる知識も増えますし、何より精神的に支え合うことで、国家試験を乗り越えられるのではないかと思います。
最後に
この6年間で素晴らしい先生方や同期、先輩後輩に出会い、大変充実した時間を過ごすことができました。医学知識だけではなく、医師や人として大切なこともたくさん学びました。そんな機会をいただけたことに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
大阪大学で学んだことと思い出を胸に、立派な医師となれるよう精進し、恩返しできればと思います。
令和7年4月1日
石原 百華