先輩医学生からのメッセージ

令和3年度卒業生、学年代表 上杉 優介

私は令和3年度に大阪大学医学部医学科を卒業し、医師国家試験に合格しました。これから淀川キリスト教病院で初期研修を行います。この度、光栄なことに医学科教育センターの渡部教授より先輩医学生からのメッセージを執筆する機会を頂きました。後輩の皆様や大阪大学医学部の受験を考えられている皆様のご参考になれば幸いです。


大学生活

 1年から2年の前期までは豊中キャンパスで医学とは直接関係の少ない、数学・物理といった一般教養と呼ばれる科目を履修します。一般教養科目に全力で取り組むもよし、部活動のような課外活動に打ち込むもよし、医学部以外の学生や留学生とも交友を深めるもよし、1年の時にしかできない経験を積んでほしいです。私は医学部のESSという部活に加え全学の部活にも参加したり、また大学に多くいる留学生と話すことによって英語を上達させたりしました。
 2年生の後期からは専門の授業が本格的に始まり、基礎医学、臨床医学と怒涛の勢いで授業とテストをこなしていきました。カリキュラムの中で最も印象的であったのは、2年の後期の解剖の実習です。人体の構造に精通することができたのはもちろんですが、ご遺体にメスを入れるということを通して、医師になるという自覚と決意を強く持つようになりました。

課外活動

 医学生として毎日は忙しかったですが、部活などの課外活動に積極的に取り組んでいる人は多かったです。私はAMSEP(Asian Medical Student’s Exchange Programme)という、アジアの医学部の間で交換留学を自ら企画する活動を行っていました。この活動を通し、台湾・マレーシア・インドなどに留学に行ったり、また留学生を受け入れたりしていました。協力的な先生や仲間がいたり、また奨学金を頂けたりすることで、積極的に海外での活動を行えたということは、他にはない大阪大学の大きな強みであり、大阪大学に入学して本当に良かったと思いました。

学年代表

 右も左も分からなかった1年の初日に、立候補をして学年代表となりました。学年代表として学年の意見を集約したうえで教育センターの先生方と毎月会議を行ったり、実習グループ分け等の学年の業務をリーダーとして行ったりしました。大変なこともありましたが、学年代表をしていたから出会えた方がいたり、リーダーの苦労を知ることができたりした点でとても有意義でした。

臨床実習

 4年の後期より、臨床実習が始まりました。臨床実習では、学生もチーム医療の一員として患者さんに接したり、手術に参加したりしました。阪大病院での実習が充実したものであったのはもちろんのこと、阪大では大阪を中心に多数ある関連病院で実習を行うことができることは大きな魅力でした。様々な特徴を持った病院での実習では、多くの患者さんに会えたり、たくさんの先生に教えていただくことができたりしたのみならず、今後医師として働くうえでどのような病院が自分に向いているかを考えるきっかけにもなりました。

マッチング

 医学生の大半の次の進路である初期研修を決めるための就職活動はマッチングと呼ばれます。マッチングでは情報がすべてと言っても過言ではありません。阪大の先生や先輩たちから話を聞くなどして研修を行いたい病院を考えることから始まり、モチベーションの高い同級生と面接の練習を重ねていきましょう。

医師国家試験

 医師国家試験は全体でも9割、医学科6年次学生に絞れば9割5分ほどが合格するため、難しい試験ではありません。しかし、落ちてしまうと医師になれないのみならず、夏に頑張ったマッチングの結果をも棒に振ってしまうことになり、かかるプレッシャーはとても大きいです。そのため、自分に合った勉強法を見つけ、早めに対策を始めていくといいように思います。私は、実習に合わせてそれぞれの科の勉強をしたり、各自で勉強した内容を勉強会で確認しあったりなどの勉強を続け、無事に合格することができました。卒業試験がなく国家試験対策に集中することができたことは阪大の大きなメリットです。

最後に

 大阪大学での学生生活は、何より人に恵まれた6年間でした。熱心に指導してくださる先生方、お互いに高めあえる同期・先輩・後輩、そして学びの機会を与えてくださった患者さんと、お世話になった方は数え切れません。今後も努力を重ねて立派な医師になることを通して、恩返しをしていきたいと思います。


令和4年3月25日
上杉 優介

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