先輩医学生からのメッセージ

平成31年度卒業生、学年代表 福田 優人

平成31年に大阪大学医学部医学科を卒業し、初期研修としてJCHO大阪病院で働いております。
さて、先輩方に引き続いて、僕も学生生活を振り返る機会を卒後教育開発センターの渡部先生よりいただきました。後輩の学生の参考になることが少しでもあれば幸いです。




大学生活

【部活/サークル活動】
大学生の部活/サークル活動の、中学や高校の部活動との大きな違いは、違う大学、違う学部、違う年齢、時には違う国籍の学生と関わることができることだと思います。

僕自身、主に医学部合奏団で活動していましたが、全学の吹奏楽団にも所属していたこともありました。また、その他様々な団体で演奏会に参加する機会がありました。そのような活動を通して、他の大学の医学生、社会人など、幅広い方々と交流することができました。
4年生からは大阪大学に留学に来る医学生と交流や短期留学を行なっている団体でも活動しており、外国の医療事情やお国柄について学ぶとともに、いかに日本人が日本のことを知らないか、そして英語力の違いもまた感じさせられました…


【勉強】
新入生の皆さん、「医学部に入ったのだから、医学の勉強を頑張ろう!!」と意気込んでいませんか?
それは素晴らしい心がけですが、残念なことに1年生の間は一般教養と呼ばれる科目が多く、医学に関する授業はあまりありません。物足りなく感じる学生もいるかと思いますが、医学の勉強は高学年になるにつれて、嫌でもすることになります(試験もいっぱいあります)。1年生のうちはじっくり一般教養や語学の勉強をし、豊中キャンパスでの大学生活を楽しんでください。個人的に少し後悔しているのは、統計と経済の勉強があまりできなかったことと、豊中キャンパスを十分満喫できないまま吹田キャンパスへ行ってしまったことです…

2年生になると吹田キャンパスに移動して解剖学や生理学など、3年生では病理学や薬理学などの基礎医学を学びます。4年生では臨床医学を学ぶことになります。座学だけでなく生化学実習や研究室配属の期間も多く、比較的メリハリのあるカリキュラムになっていると思います。


【実習】
4年生でCBT、OSCEという2つの試験に合格すれば、Student Doctorとして病院で実習をすることができます。専門的すぎて見学をしていても何をやっているのかわからなかったこともありましたが、実際の現場で医師や看護師が働いている姿を見学し、患者さんと関わることで、教科書を読んだり講義を聞いていたりするだけではわからないことを学べました。また、将来の進路についても考えるようになりました。

また、地方や海外の病院で実習する機会もあり、大阪とは違う環境にある病院を見ることで、大阪がいかに狭い世界であるかというのを実感しました。

学年代表

学年代表は毎年、入学時に立候補制で決まることが一般的ですが、僕の学年は全く誰も立候補しなかったため、担任の先生と学生全員がジャンケンをした結果、僕になりました。

役割としては、先生からの連絡事項の学年への伝達、学年内での決め事(実習や研究室配属)の際の取りまとめ、授業について学生からの要望・意見を先生方と共有すること、などです。面倒な作業もありましたが、先生方や学年代表の先輩方と話ができることで1年後2年後の予定など、情報が早く手に入ることもありましたし、医師になってからの話も先生から直接話を聞くことができ、とても勉強になったので学年代表をやってよかったと思っています。

マッチング

5年生になると、学年では2年間の初期研修をどこの病院でしようか、という話題で持ちきりになります。早い人では5年生の夏休み頃からあちこちの病院へ見学に行き、自分にあった病院を探し始めます。それぞれの希望に沿った病院を探すのですが、完璧に自分の理想にあった病院はそうありません。どの病院にも必ず自分に合う点と合わない点があるので、自分の中で優先順位を決めて病院を選んでいくのがいいと思います。

国家試験

国家試験は医学部の入試とは違って9割が合格する試験なので、何はともあれ周りがやっていることと同じ勉強をすることが大切ですが、早く勉強を始めればその分、直前期に余裕を持って勉強することができます。マッチングで筆記試験を重視する病院を受けた人は、5年生のうちから本格的に勉強を始めていました。

勉強方法はビデオ講座をみたり過去問題集を解いたりなど、何でもいいですが、メンバーを集めて勉強会を定期的にすることで、自分の勉強のペースメーカーにもなり、お互いに教えあうことで知識がより定着しやすくなりました。

最後に

学生生活6年間は長いようで、あっという間に時間は過ぎ去っていきます。それぞれ、学生生活の過ごし方は自由ですが、大学生の間しかできないことはたくさんありますし、関わることのできない人も数多くいます。悔いを残さないよう、幅広くいろいろなことに挑戦して様々な人と話をし、見識を広めてもらったらいいと思います。


平成31年3月31日
福田 優人

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